PM 1:30
午後は一転して実地教育だ。艦内の工学区画や医療部での研修。
セイヤは重力制御ユニットの点検作業を、マニュアルの一字一句をなぞるように完璧にこなした。
PM 4:20
生徒会室の照明が夕暮れの色に沈んでいく。ホログラムの艦内マップに表示されるトラブル件数は「ゼロ」。
「退屈こそが、我々の理想だ」
セイヤの言葉に、作業を終えたメンバーたちが静かに頷く。平穏な一日は、誰かが無意識に、あるいは意識的に整えているからこそ存在するのだ。
PM 4:30 下校の路
透明回廊の向こうには、本物の星々がすぐ近くまで迫っている。
「今日も、早かったわね」
隣を歩くエミリアが、ふと足を止める。
「……一日が、か?」
「あなたの歩幅がよ。いつもより、少しだけ早かった気がする」
セイヤは無意識に自分の歩幅を調整し、彼女の隣に並び直した。
「……修正が必要なようだな」
「いいえ。そのままでいいわ」
二人の距離が、朝よりもほんの少しだけ縮まった。
PM 19:00 夕食
食卓には家族の笑い声が溢れていた。
父の操舵の苦労話、母の医療部での報告、カナの学校での他愛ない不満。
セイヤはそれらを静かに聞きながら、温かなスープを口にする。
家庭という最小単位の秩序。それもまた、彼が守るべき大切なものだった。
PM 21:00 自主学習
ノートに「より良い生徒会運営の指針、あるいは守るべき秩序について」と書き込む。だが、ふとした瞬間に、昼間のエミリアの笑顔が脳裏をよぎる。
三秒間、セイヤは石のように固まった。
そして、静かに消しゴムを取り出し、乱れた思考を整えるように、わずかに震えた文字を消した。


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